Visual Studio 統合
このセクションでは、Visual Studio に統合されている Dotfuscator の使用方法について説明します。 Visual Studio の中で、Dotfuscator プロジェクトを作成および編集し、そのプロジェクトを既存のソリューションに追加することができます。 ビルド過程において、Dotfuscator プロジェクトは、ソリューション内の開発プロジェクトで生成されたバイナリ出力(つまり、コンパイルされた .NET アセンブリ)を入力として受け取り、それに対する処理を実行した後、難読化処理された出力を配置プロジェクトに公開します。
Dotfuscator プロジェクトの作成
Dotfuscator プロジェクトを作成し、それを既存または新規のソリューションに追加するには、Visual Studio プロジェクトのその他の種類の場合と同様の手順を実行します。
- [新しいプロジェクト]ダイアログ ボックスで、[プロジェクトの種類]の一覧から "Dotfuscator プロジェクト" フォルダーを開きます。
- [テンプレート]リストから "Dotfuscator プロジェクト" を選択します。
- プロジェクトの名前と場所を指定するか、または既定値を受け入れます。
- [ソリューション]フィールドで、ソリューションを新規作成するか、または既存のソリューションを追加するかを選択できます。
- [ソリューション名]にはソリューションの名前を指定します。
- 必要に応じて、[ソリューションのディレクトリを作成]および[ソリューションをソース管理に追加]チェック ボックスをオンにして適用します。
- [OK]をクリックします。
ソリューション エクスプローラーおよび Dotfuscator プロジェクト ツリー
Visual Studio で Dotfuscator プロジェクトの作業をする場合、ソリューション エクスプローラーが開始点となります。 その他多くのプロジェクトの種類と同様、Dotfuscator プロジェクトはソリューション エクスプローラー内にツリーとして現れます。
Dotfuscator プロジェクト ツリーの最上位のプロジェクト項目の名前は常に、Dotfuscator プロジェクトに指定した名前です。 この項目のショートカット メニューから、プロジェクトのプロパティ ページへアクセスできます。 Dotfuscator プロジェクトが表示するプロパティ ページの説明については、プロジェクト プロパティを参照してください。
最上位の Dotfuscator プロジェクト項目の直下には、常に以下の 3 つの項目があります。
入力アセンブリ フォルダー
ここで、難読化する入力を管理します。 この項目を右クリックすると、入力の追加が行えるショートカット メニューが表示されます。 追加されたパッケージおよびアセンブリは、それぞれフォルダー内に項目として現れます。 プロジェクトから入力を削除する場合は、その項目を選択し、Delete キーを押します。 さまざまな種類の入力の詳細については、入力の設定を参照してください。
構成オプション フォルダー
このフォルダーには、使用可能な構成エディターごとに 1 つの項目が含まれています。 適切な項目をダブルクリックすると、それに該当するエディターが表示されます。
出力ブラウザー項目
Dotfuscator プロジェクトのビルド後、この項目をダブルクリックすると、出力アセンブリを参照できます。 出力ブラウザーでは、クラス ブラウザーで提供されるビューに類似したアセンブリのビューが提供されます。 元のシンボル名と難読化処理後のシンボル名に加え、どのシンボルが入力アセンブリから除去されたかが示されます。
プロジェクトの構成
入力とそのプロパティ以外の Visual Studio Dotfuscator プロジェクトの設定は、構成に依存します。 つまり、現在アクティブな構成を基に、異なる難読化設定を持つことができるということです。 たとえば、デバッグ ビルドではデバッグ シンボル ファイルを生成したいが、リリース ビルドでは生成したくないということがあります。
Dotfuscator プロジェクトの構成は、Visual Studio の構成マネージャーにより、他の種類の Visual Studio プロジェクトと同じ方法で管理されます。 構成マネージャーを介して、Dotfuscator プロジェクトの構成を編集、作成、および削除することができます。 また、プロジェクトをソリューション構成と関連付けることもできます。
既定値では、Dotfuscator プロジェクトを作成すると、2 つのプロジェクト構成が作成され、それぞれ対応するソリューション構成、デバッグとリリースに関連付けられます。 これら 2 つの構成は、デバッグ構成に[デバッグ シンボルの出力]を設定するためのプロジェクト プロパティがある点を除き、まったく同じです。
Dotfuscator プロジェクトの配置
Dotfuscator プロジェクトは、よく知られる C# や VB.NET などの他の Visual Studio プロジェクトの種類と同様、Visual Studio 内で出力を公開します。 そのため、Visual Studio プロジェクトの使い方を理解している配置プロジェクトやセットアップ プロジェクトのソースとして、Dotfuscator プロジェクトを使用できます。 このセクションは、ユーザーがセットアップ プロジェクトおよび配置プロジェクトに精通していることを前提にしています。
Dotfuscator は、次に示す出力グループを公開します。
出力グループ | 説明 |
---|---|
プライマリ出力 | 出力アセンブリおよびあらゆるパッケージ成果物が含まれる |
ローカライズされたリソース DLL | サテライト DLL が含まれる |
レポート | 除去レポートおよび HTML レポート ファイルが含まれる |
割り当てファイル | XML 形式の名前変更の割り当てファイルが含まれる |
デバッグ シンボル | 出力アセンブリがある場合は、出力アセンブリの PDB ファイルが含まれる |
難読化処理されたアセンブリをすべてパッケージするようセットアップ プロジェクトに指示するには、単に、セットアップ プロジェクトで Dotfuscator プロジェクトの "プライマリ出力" グループをポイントするだけです。
アセンブリが他の Visual Studio プロジェクトから供給される場合、Dotfuscator はそのソース プロジェクトの依存関係も配置プロジェクトに公開します。
入力の設定
入力パッケージとアセンブリは、ソリューション エクスプローラー内の Dotfuscator プロジェクト ツリーにある入力アセンブリ フォルダーに表示されます。 入力の追加は、最上位プロジェクト項目下の、"入力" フォルダー項目に関連付けられているショートカット メニューから、または Visual Studio の[プロジェクト]メニューから行えます。
入力アセンブリの追加方法は 2 種類ありますが、これは難読化する対象をソリューション内の別の Visual Studio プロジェクトから出力されるものとするか、ファイル システム上のパッケージまたはアセンブリとするかによって決まります。
他プロジェクトからの入力アセンブリ
Dotfuscator に別プロジェクトの出力を使用させるには、Dotfuscator プロジェクトのショートカット メニューまたは Visual Studio の[プロジェクト]メニューにある[プロジェクト出力の追加]項目を使って、入力アセンブリを追加します。 この項目を選択すると、Dotfuscator の[プロジェクト出力の追加]ダイアログ ボックスが表示されます。 このダイアログ ボックスから、ソリューション内の他プロジェクトを参照できます。
Visual Studio プロジェクトの種類ごとに、他プロジェクトがアクセスできる出力グループのセットが定義されています。
出力グループには、ソース プロジェクトによって作成されるファイルが含まれます。
たとえば、下のスクリーンショットの場合、GettingStarted C# プロジェクトはプライマリ出力という出力グループを定義しており、そこに出力バイナリ(GettingStarted.exe
)を置いています。
出力グループの内容は、プロジェクトの構成によって変わります。
たとえば、GettingStarted プロジェクトはデバッグとリリースの両方の構成で GettingStarted.exe
を作成しますが、ビルド実行時、これらのファイルは別のディレクトリへ書き込まれます。
常に、構成を基に特定のグループを使用するか、あるいは、現在アクティブなプロジェクトの構成を基に出力グループを使用するかを Dotfuscator に指示できます。
アクティブな構成が選択された場合、Dotfuscator はソース プロジェクトの構成が変わるたびに自動的に入力を更新します。
ファイル システムからの入力
ファイル システム上のパッケージまたは入力アセンブリを Dotfuscator に知らせる場合は、Dotfuscator プロジェクトのショートカット メニューまたは Visual Studio の[プロジェクト]メニューにある[入力の追加]項目を使って、入力を追加します。 この項目を選択すると、1 つ以上の入力を選択できるファイルの参照ダイアログ ボックスが表示されます。
プロジェクト プロパティ
Visual Studio では、ソリューション エクスプローラーにある Dotfuscator プロジェクトの最上位項目からプロジェクトのプロパティ ページへアクセスできます。
構成プロパティ > オプション
[オプション]プロパティ ページでは、プロジェクトのオプションを設定できます。 これらについては、グローバル オプション セクションに詳しく説明されています。 Dotfuscator の機能を選択的に有効にすることもできます。 設定可能なプロパティの概要は次のとおりです。
- [機能]を無効にする:Dotfuscator では各変換処理を個別に有効または無効に設定できます。 変換処理を無効にすると、ソリューション エクスプローラー内の該当する構成オプションのノードが淡色表示されます。 変換処理を有効または無効にするには、このプロパティ シートを使用するか、もしくは目的のノードを右クリックし、[無効化]メニュー項目のチェックのオン/オフを切り替えて行います。 新規プロジェクトの既定値で無効になっている変換処理には、リンク、ウォーターマーク、除去、および文字列の暗号化があります。新規プロジェクトの既定値で有効になっている変換処理には、名前の変更、制御フロー、および差し込みがあります。
- ビルドの進行状況:このオプションは、ビルドの過程で Dotfuscator が出力する情報の詳細度を制御します。
- エラー:この設定は、診断目的のためにあります。 これをオンにすると、ビルドの過程で一時ディレクトリに書き込まれる生成 IL が Dotfuscator によって削除されなくなります。
- スマート難読化:このオプションでは、名前の変更および除外について、選択したアプリケーションの種類における対象除外を自動的に適用するかどうか(有効または無効)を指定できます。 詳細については、スマート難読化を参照してください。 既定値では有効になっています。
- 調査のみを実行:このオプションは、Dotfuscator に対して、レポートのみを生成してアセンブリの出力を行わないように指示します。
- Mono 互換の変換のみを使用する:この設定は、以前に Mono ランタイム下で実行時エラーを引き起こすことが判明したため変換を無効にします。 このオプションをオンにすると、逆コンパイラからの保護を削減しますが、Microsoft .NET 以外のプラットフォームでアプリケーションの実行を保証するのに役立つことがあります。 既定値では無効になっています。
- デバッグ シンボルの出力:難読化されたアセンブリに対してデバッグ シンボルを生成し、JIT の動作を制御します。 Debug オプションを参照してください。
- Ildasm を抑制する:これはすべての出力アセンブリへ
SuppressIldasmAttribute
を追加するよう Dotfuscator に指示します。これにより、Microsoft の Ildasm ユーティリティがアセンブリの IL を表示しないようになります。 これは .NET 2.0 以上を対象とするアセンブリにのみ有効です。 - [差し込み]サブセクションのオプションについては、こちらを参照してください。
構成プロパティ > プロジェクト プロパティ
[プロジェクト プロパティ]ページには、ユーザー定義の名前と値のペアをプロジェクト プロパティとして追加、表示するための機能と、Dotfuscator 自体によって定義される外部プロパティを表示するための機能が含まれています。
[プロジェクト プロパティ]は、ファイル名やパスが必要なあらゆるところで使用できる、単純な文字列の置換マクロと考えられます。 詳細については、プロパティ リストとプロパティを参照してください。
プロジェクト プロパティを追加するには、[新規]ボタンをクリックし、[プロジェクト プロパティ]グリッド内でプロパティの名前と値を編集します。 1 つまたは複数のプロジェクト プロパティを削除するには、[プロジェクト プロパティ]グリッド内で削除する行を選択し、[削除]ボタンをクリックします。
構成プロパティ > ビルド設定
[ビルド設定]プロパティ ページでは、出力先ディレクトリと、任意で一時ディレクトリを指定できます。
ビルド ディレクトリ
新しいプロジェクトを作成した場合、出力先ディレクトリの既定値として ${configdir}\Dotfuscated
が設定されます。
${configdir}
は組み込みプロパティの 1 つで、プロジェクト構成ファイルの保存先のフォルダーに展開されます。
別の出力先ディレクトリを選択する場合は、そのディレクトリを検索するか、[出力先ディレクトリ]テキスト ボックスに入力することができます。
任意で、処理中に一時ファイルを格納するために使用する一時ディレクトリを指定することもできます。 指定しない場合は、Windows 環境で指定されている一時ディレクトリが使用されます。
構成プロパティ > ビルド イベント
[ビルド イベント]プロパティ ページでは、Dotfuscator プロジェクトのビルド イベントを指定できます。 各イベントでは、そのイベントの発生時に実行する外部プログラム(プログラム パス)を指定できます。 そのプログラムの作業ディレクトリおよびコマンド ライン オプションを指定することも可能です。また、指定プログラムが失敗した場合、Dotfuscator のビルドを中止(失敗)するかどうかを指定することもできます。
ビルド後のイベントでは、どの状態の場合にプログラムを実行するか(例:常時、ビルド成功時のみ、ビルド失敗時のみ)を指定します。
さらに、ビルド後のイベントをプロジェクトに対して 1 回だけ実行するか、出力モジュールごとに 1 回ずつ実行するかを指定できます。
構成プロパティ > 署名
厳密な名前
[署名]プロパティ ページでは、厳密名のアセンブリの署名および再署名を自動的に行うよう Dotfuscator を構成することもできます。 詳細については、厳密名のアセンブリの難読化を参照してください。
Authenticode デジタル署名
Authenticode デジタル署名オプションを使用すると、アプリケーションに Authenticode デジタル署名を添付できます。 セキュリティ証明書と同様、この署名は、あなたが難読化およびインストルメントを行っているアプリケーションがあなたの知的財産であり、結果として生成されるバイナリはあなたのみによって提供され変更されないことをユーザーに確認させることができます。 この機能は、別のレベルのセキュリティを追加してアプリケーションを保護します。 出力アセンブリに Authenticode 署名を添付するには、[出力アセンブリの署名]チェック ボックスをオンにし、[...]をクリックしてキー ファイルを見つけるか、テキスト ボックスにパスを入力します。 [キー ファイル]フィールドに適切な値を入力したら、[パスワードの設定]ボタンをクリックしてキー ファイルのパスワードを設定します。
[タイムスタンプ URL]フィールドを使用すれば、Authenticode のタイムスタンプ サービスの URL を指定することができます。 この URL は Dotfuscator の署名プロセス時にアクセスされ、そこから追加データが提供されます。その追加データを使用すれば、アセンブリの Authenticode 署名は、コード署名証明書の有効期限が切れた後も有効なままになります。 この要素は省略可能です。 ただし、省略した場合にはこの追加データは含まれないので、コード署名証明書の有効期限が切れるとアセンブリの Authenticode 署名は無効になります。
構成プロパティ > レポート > 名前の変更
名前の変更レポートは、統計セクションを含むある特定の実行中に Dotfuscator によって名前が変更されたすべての要素の概要を提供します。 [名前の変更レポート ファイル(出力割り当てファイル)]セクションでは、名前の変更割り当てファイルを保存する場所を指定できます。 既定値のままにしておくか、パスを入力します。 使用する割り当てファイル名およびパスがわかっている場合は、テキスト ボックスにファイル名とパスを直接入力できます。 もう 1 つの方法として、ファイル システムを参照して、ファイルを出力する適切な場所を選択することもできます。 テキスト ボックスの右にある[...]ボタンをクリックすると、使い慣れたナビゲーション ツリーを持つ[出力割り当てファイルの選択]ウィンドウが表示されます。
また、既存の出力ファイルをバックアップすることなく、アプリケーションをビルドするたびにその出力ファイルを上書きするオプションもあります。 Dotfuscator には、既定の .XML 形式のほかに、可読性の高い HTML 形式のレポートも生成できる、既定の変換処理があります。 [HTML として出力]ボックスをオンにすると、[カスタム変換(既定の場合は空白)]フィールドが有効になります。 フィールド名で示すように、カスタム変換に既定値を使用する場合は空白のままにし、そうしない場合は[...]をクリックして場所を選択します。
構成プロパティ > レポート > 除去
除去レポートは、統計セクションを含むある特定の実行中に Dotfuscator によって除去されたすべての要素の概要を提供します。 [除去レポート ファイル]セクションでは、レポートを保存する場所を指定できます。 ここでは 2 とおりの方法を使用できます。 使用するファイル名およびパスがわかっている場合は、テキスト ボックスにファイル名とパスを直接入力できます。 もう 1 つの方法として、ファイル システムを参照して、ファイルを出力する適切な場所を選択することもできます。 テキスト ボックスの右にある[...]ボタンをクリックすると、[除去レポートファイルの選択]ウィンドウが表示されます。このウィンドウにはファイルの場所を参照するためのナビゲーション ツリーが表示されます。
また、既存の出力ファイルをバックアップすることなく、アプリケーションをビルドするたびにその出力ファイルを上書きするオプションもあります。 除去レポートは、XML 形式のファイルのほかに可読性の高い HTML 形式のドキュメントとしても出力できます。 このレポートは迅速な相互参照を提供しており、削除されたすべての型、フィールドおよびメソッドを即座に確認できるよう、項目間をすばやく移動できます。 [HTML として出力]チェック ボックスをオンにすることにより、このレポートを XML 形式のレポートと同じ名前およびパス情報を使用して書き出すように指示できます。 既定の HTML 形式レポートが要求するレポート条件を満たしていない場合は、独自の XSL ドキュメントを提供することができます。Dotfuscator はそのドキュメントを使用して、XML 形式レポートの変換を行います。 [HTML として出力]ボックスをオンにすると、[カスタム変換(既定の場合は空白)]フィールドが有効になります。 フィールド名で示すように、カスタム変換に既定値を使用する場合は空白のままにし、そうしない場合は[...]をクリックして場所を選択します。
構成プロパティ > レポート > スマート難読化
スマート難読化レポートは、スマート難読化機能が指定する規則に基づいて名前の変更または除去ができなかったすべての要素の概要を提供します。 スマート難読化によって項目が除外されたがレポートの出力先が指定されていない場合、レポートは Visual Studio ウィンドウの下部にある[出力]タブの[スマート難読化レポート]ビューに表示されます。 [スマート難読化レポート ファイル]フィールドでは、レポートを保存する場所を指定できます。 ここでは 2 とおりの方法を使用できます。 使用する割り当てファイル名およびパスがわかっている場合は、テキスト ボックスにファイル名とパスを直接入力できます。 もう 1 つの方法として、ファイル システムを参照して、ファイルを出力する適切な場所を選択することもできます。 テキスト ボックスの右にある[...]ボタンをクリックすると、[スマート難読化レポート ファイルの選択]ウィンドウが表示されます。このウィンドウにはファイルの場所を参照するためのナビゲーション ツリーが表示されます。
既存の出力ファイルをバックアップすることなく、アプリケーションをビルドするたびにその出力ファイルを上書きするオプションもあります。 また、任意でレポートの詳細を構成できます。 レポートの詳細属性に使用できる値は、[すべて]、[警告のみ]および[なし]です。 既定値は[すべて]です。
構成プロパティ > 機能割り当て文字列
機能割り当て文字列のプロパティ ページは、宣言による難読化のためにあります。 Dotfuscator の「宣言による難読化」のサポートの詳細については、カスタム属性を使用した宣言による難読化を参照してください。 このセクションでは、機能割り当てについて説明し、Dotfuscator が認識するネイティブな機能文字列を紹介します。
ツール バーから、機能割り当て文字列の追加、編集、および削除を行えます。 [追加]および[編集]ボタンをクリックすると、Dotfuscator でサポートされている機能を機能文字列に割り当てるためのダイアログが表示されます。
[追加]アイコンをクリックすると、[新規の機能割り当て]ダイアログ ボックスが表示されます。 機能名を入力し、その機能の適切な割り当て文字列を選択します。 複数の割り当て文字列を選択するには、Ctrl キーを押したままの状態で選択対象の割り当て文字列をクリックしていきます。 選択が完了したら[OK]をクリックします。
新しい機能とその文字列が[機能割り当て文字列]プロパティ ページに表示されます。
構成プロパティ > アセンブリ ロード パス
このプロパティ ページを使用すると、プロジェクトでユーザーが定義したアセンブリ ロード パスを編集することができます。 ツール バーから、ディレクトリの追加と削除、既存ディレクトリの編集、ディレクトリを検索する順序の変更が行えます。 [最初に検索]チェック ボックスをオンにすると、Dotfuscator はその標準検索を適用する前にロード パスを検索します。 チェックをオフにすると、Dotfuscator はその標準検索を適用した後にのみロード パスを検索します。
入力アセンブリ プロパティ
Visual Studio では、各入力アセンブリがプロパティ ウィンドウにプロパティを公開します。 入力アセンブリのプロパティ ウィンドウを表示するには、ソリューション エクスプローラー内で Dotfuscator プロジェクト下にある入力ノードを選択してから、Visual Studio のプロパティ ウィンドウを([表示]メニューから、または F4 キーを押して)起動します。 複数の入力アセンブリを選択して、それらを同時に管理することができます。プロパティ ウィンドウに公開されているプロパティは、選択しているアセンブリのグループに適用されます。
ここから、各アセンブリに対し、ライブラリ モードの設定、XAML の変換モードの設定、難読化するかパッケージ成果物のままにしておくかの指示が行えます。また、宣言による難読化で使用される属性の処理を構成することもできます。
また、ここで、選択アセンブリの差し込みオプションを設定することもできます。
そのほかに、入力アセンブリのファイルに関する情報を表示する読み取り専用プロパティもあります。
プロパティ パネルの Dotfuscator セクションでは、次の属性の True または False の設定が行えます。
成果物:[成果物]を True に設定すると、指定されたアセンブリを入力として処理しないよう Dotfuscator に指示できます。 そのアセンブリは難読化やインストルメント化が行われず、既存の署名はすべて保持されます。 [成果物]を False に設定すると、Dotfuscator はそのアセンブリを入力として処理し、難読化およびインストルメント化を行います。
差し込み属性の使用: アセンブリ レベルの差し込みプロパティで、True または False を設定します。
差し込み属性の除去: アセンブリ レベルの差し込みプロパティで、True または False を設定します。
難読化属性の使用: 宣言による難読化プロパティで、True または False を設定します。
難読化属性の除去: 宣言による難読化プロパティで、True または False を設定します。
キー出力:この設定によって、Dotfuscator プロジェクトの入力アセンブリの 1 つをキー出力アセンブリにするよう明示的に設定できます。 キー出力は配置プロジェクトで使用されます。 アセンブリのリンクが有効になっている場合、リンク元のアセンブリの 1 つがキー出力とマークされていたら、そのリンク先の出力アセンブリがキー出力になります。 キー出力としてマークされた入力アセンブリがない場合は、Dotfuscator が 1 つを選択します。
XAML の変換:Dotfuscator は、Silverlight アプリケーションで使用される XAML リソース内の項目や Windows Presentation Foundation アプリケーションのコンパイル済み XAML リソース(BAML)内の項目の名前を変更することができます。 既定値は True です。これは、マークアップ リソース内の項目の名前を変更し、その名前の変更と分離コード内の項目参照を一致させるよう Dotfuscator に指示します。 このオプションを有効にしておくと、Windows Presentation Foundation および Silverlight アプリケーションの難読化が大いに強化されることに加え、名前の変更対象から手動で除外する必要がある項目数が減少します。
入力パッケージ プロパティ
Visual Studio では、一部のパッケージ入力がプロパティ ウィンドウにプロパティを公開します。 入力のプロパティ ウィンドウを表示するには、ソリューション エクスプローラー内で Dotfuscator プロジェクト下にあるパッケージ ノードを選択して右クリックし、[パッケージ オプション]メニュー項目を選択します。そうすると、パッケージ固有のプロパティ ウィンドウが起動します。
各機能の設定の構成
Visual Studio Dotfuscator プロジェクトでは、各機能の設定を個別に構成することができます。 機能ごとにエディターが用意されており、ソリューション エクスプローラーで展開されている Dotfuscator プロジェクト ツリーから適切な項目をダブルクリックすることによって、そのエディターを起動できます。 各エディターについては、次のトピックに説明されています。
プロジェクトのビルド
Visual Studio Dotfuscator プロジェクトは他の Visual Studio プロジェクトの種類と同様に、プロジェクト レベルでビルドすることができます。既定値では、プロジェクトは、そのプロジェクトを含んでいるソリューションがビルドされるときにビルドされます。 特定のソリューション構成について Dotfuscator プロジェクトをビルドしない場合は、Visual Studio の構成マネージャーを使用してビルドをオフにすることができます。
Dotfuscator プロジェクトのビルド時、入力にはアクティブな構成の設定が適用されます。 出力パッケージおよび出力アセンブリは、プロジェクトの[ビルド]プロパティ ページで指定したディレクトリに書き込まれます。
ビルド中、Dotfuscator の出力は Visual Studio の出力ウィンドウに書き出され、ビルド エラーはすべてタスク一覧に追加されます。
ビルド成功後、出力ブラウザーが更新されます。 出力ブラウザーは、ソリューション エクスプローラーで Dotfuscator プロジェクトの[出力]項目をダブルクリックするとアクティブになります。 出力ブラウザーでは、クラス ブラウザーで提供されるビューに類似した出力アセンブリのビューが提供されます。 元のシンボル名と難読化処理後のシンボル名に加え、どのシンボルが入力アセンブリから除去されたかが示されます。
HTML 形式の名前の変更レポートまたは除去レポートの生成を選択した場合、これらはビルド後に表示可能になります。
[表示]メニュー
Visual Studio 統合バージョンの Dotfuscator は、Visual Studio の[表示]メニューに[Dotfuscator]カスケード メニューを追加します。 このメニューには、実行内容に応じて次の 4 つの項目が表示されます。成功ビルドによって生成されたレポートを表示するための項目が 2つ、スタック トレースのデコード ツールを起動するための項目、そして、新しい Shelf Life(使用期限)トークンを生成するための項目です。
HTML 形式レポートの表示
Visual Studio の中で、HTML 形式の名前の変更レポートと除去レポートを表示できます。 HTML 形式レポート ファイルが存在し、Dotfuscator プロジェクトがソリューション エクスプローラー内でアクティブ プロジェクトになっている場合は、[表示|Dotfuscator]メニューの 2 つのメニュー項目(1 つのレポートに付き 1 つ)が有効になります。 いずれかをクリックすると、対応するレポートが既定のブラウザーに表示されます。
HTML 形式レポートの設定については[名前の変更]エディターの[オプション]タブを、除去レポートについては[除去]エディターの[オプション]タブを参照してください。
スタック トレースのデコード ツール
Visual Studio には、Dotfuscator のスタック トレース デコード ツールが Visual Studio ツール ウィンドウとして実装されています。 このツールは、[表示]メニューから[Dotfuscator]>[難読化されたスタック トレースのデコード]をクリックするとアクティブになります。 ツールの使い方の詳細については、難読化されたスタック トレースのデコードを参照してください。
Shelf Life トークンの生成ツール
Visual Studio には、Dotfuscator の Shelf Life トークンの生成ツールが Visual Studio ツール ウィンドウとして実装されています。 このツールは、[表示]メニューから[Dotfuscator]>[新しい Shelf Life トークンの生成]をクリックするとアクティブになります。 このツールの使用方法については、Shelf Life トークンの生成を参照してください。
[ヘルプ]メニュー
Visual Studio 統合バージョンの Dotfuscator は、Visual Studio の[ヘルプ]メニューに[Dotfuscator]カスケード メニューを追加します。 このメニューには以下の項目が含まれます。
- 製品の登録:このメニュー項目が有効になるのは、お使いの製品がアクティブ化されていない場合のみです。 この項目をクリックすると、Dotfuscator をアクティブ化するためのダイアログ ボックスが表示されます。 詳細については、アクティブ化を参照してください。
- 新機能:このメニュー項目をクリックすると、ブラウザーが起動して Dotfuscator のホーム ページが表示されます。
- カスタマー フィードバック オプション:この項目を使用すると、PreEmptive Solution の匿名のカスタマー フィードバック プログラムへの参加を構成できるようになり、Dotfuscator ファミリのソフトウェア製品およびサービスの品質向上を促進することができます。
- 更新情報を今すぐ確認:このメニュー項目をクリックすると、Web を使用した Dotfuscator の更新チェックが直ちに実行されます。
- バージョン情報:このメニュー項目をクリックすると、Dotfuscator のバージョン情報ボックスが表示され、ユーザー情報とバージョン情報を確認できます。
ユーザー設定の設定
Visual Studio では、Dotfuscator のユーザー設定は[ツール|オプション]メニューをクリックして表示される[オプション]ウィンドウ内の[Dotfuscator]カテゴリ ページにあります。
このページの[ニュースとアップデート]セクションでは、Dotfuscator が更新を定期的に確認するように設定できます。
このページの[ネットワーク]セクションでは、ネットワーク アクセスのプロキシ サーバーの構成設定を入力します。 プロキシ サーバーがない場合、またはプロキシ サーバーの設定がシステムのプロキシによって制御される場合には、プロキシ情報は必要ありません。
ユーザー設定の[オプション]ウィンドウにはカスタマー フィードバック プログラムのダイアログを起動するリンクがあります。 このリンク内のテキストは、現在の選択/非選択状態を示します。